日刀保京都府支部入札鑑定会
5月15日、京都府立文化芸術会館にて日本美術刀剣保存協会 京都府支部の入札鑑定会が開催されました。
今回は”短刀祭り”! 短刀(寸延び含む)ばかり10口での入札鑑定です。
鑑定刀
1号 脇差 銘 表 吉野山人國平之
裏 平成聖代結ふ 刃長 35、5㎝ 反り 0、4㎝
2号 脇差 銘 表 大和住月山貞伸造(花押)
裏 平成三十年季夏 刃長 33、4㎝ 反り 0、4㎝
3号 短刀 銘 表 播州住隼光作
裏 平成二十四年盛夏 刃長 20、0㎝ 反り 無し
4号 脇差 銘 表 加賀國住両山子正峯作
裏 昭和戊申二月吉日 刃長 31、5㎝ 反り 0、3㎝
5号 短刀 銘 表 宮入昭平作 (棟)越後國昭忠彫之年六十六才
裏 昭和乙巳年秋吉日 刃長 24、8㎝ 反り 無し
6号 脇差 銘 表 相州住正広
裏 文明元年弐月日 刃長 45、8㎝ 反り 0、5㎝
7号 脇差 銘 表 三条吉則作 刃長、37、0㎝ 反り 1、0㎝
8号 短刀 銘 表 長谷部国重 刃長 26、0㎝ 反り 0、2㎝
9号 短刀 銘 表 備州長船義光
裏 興国六年酉乙三月日 刃長、23、8㎝ 反り わずかに内ぞり
10号 短刀 無銘 当麻(附)享保四年本阿弥光忠折紙
刃長、24、0㎝ 反り 内反り
鑑定会の様子
入札鑑定に参加される方から「現代刀を当てるのは難しい」との声を聞く事があります。
入札鑑定の現状を見ると、仰る事はごもっとも。
当たらない理由は簡単。現代刀が出題される事が少なく、入札鑑定に参加しているだけでは現代刀の知識を得られないからです。
という事で今回は現代刀を少しでも知って頂くべく、10口中5口を現代刀とさせて頂きました。
古い刀も新しい刀も、鑑定のセオリーは全く変わりません。それぞれの流派や刀工個人の個性を発見し入札につなげます。
現代刀には個性的な刀が沢山あります。特徴を明確に現す流派も多数ありますし、知る程に楽しいのが現代刀です。
中には一度見たら忘れられない作風の刀もあり、今回も個銘を的中させた方も居られました。
今後も現代刀を知って頂く機会が作れたらと思います。
前月に続き今月も新規入会希望者さんが来られ、会員数も徐々に増えつつあります。
支部会にご入会頂くと、刀を手に取ってご覧いただけます。
刀の勉強は、博物館のガラスケースの中を眺めるだけでは分からない事が沢山あります。刀は手に取ってこそ。
公益財団法人 日本美術刀剣保存協会は全国各地に支部をもっています。是非支部会に入会し、本物の刀を手に取って勉強して下さい。
この度も大切な御刀を鑑定会のためにご提供下さった皆様には、心より御礼申し上げます。誠にありがとうございました。